早期療育やOT、放課後等デイサービスに通うまでは、多くの方が利用されていますが、案外知らない方が多いのが“特別児童手当”の存在です。
私も子供が3歳の頃から早期療育を受け、やるべきことは全てやってるつもりでいましたが、国の制度である“特別児童扶養手当”の存在を初めて知ったのは、息子くんが6歳になってからでした。
通っていた早期療育に親クラスという親同士の交流を持たせてくれる場があったため、その親クラスの担当の先生との会話でたまたま知ることができましたが、こういった制度(まず申請資格があるかどうかを調べて、あった場合その者が申請することによって給付金がもらえるといったタイプの制度)のことを、該当者に対して伝えなければならない立場の人はいないというのが現状です。ですから自分から積極的に情報を取りにいかなければ、私のようにたまたま知る機会がない限り、この制度の存在を知らない方が多いのでないかと思われます。
所得制限がありますので、まずその確認が必要ですが、認定されれば、年間442,320円も支給される、とてもありがたい国の制度です。
共働きの予定が、発達ゆっくりさんの子育てで、なかなか働きに行くことができないお母さん達は沢山いると思います。収入が増えないだけでなく、特別な子育てにお金が出ていくばかりで、将来に不安が募る中、年間442,320円の支給をいただけるかどうかは非常に重要なことですので、是非確認してみて下さい。
“特別児童扶養手当” 通称 “特児手当” とは
精神又は身体に障害を有する児童について手当を支給することにより、これらの児童の福祉の増進を図ることを目的にしている国の制度です。
支給対象者
20歳未満で精神又は身体に障害を有する児童を家庭で監護、養育している父母等(※所得制限があります)
支給月額
1級認定の場合:55,350円
2級認定の場合:36,860円
“特別児童扶養手当”の申請手続き
申請先は、お住まいの市区町村の福祉関係の窓口になります。
必要書類について
①戸籍謄本(実際に申請する日から1ヶ月以内のもの)
②医師による診断書(所定の診断書様式のもの)
「知的・精神」診断書には、1年以内に受けた発達検査の結果が必要です。
③その他、振込先金融機関通帳、請求者家族分の個人番号の記入、請求者本人確認書類、印鑑 など(詳しくは申請窓口で先に必要書類の確認が必要です)
“特別児童扶養手当”の申請に関する注意点
“特別児童扶養手当”の申請をするにあたっては、いくつかの注意点があります。
①申請書類を揃えるために、費用と時間がかかる。
・戸籍謄本:これまで、戸籍関係の証明書は、本籍地の市区町村役場でしか取ることができませんでしたが、令和6年3月1日から戸籍法の一部改正に伴い、本人またはその配偶者及び直径親族の方の戸籍謄本、改正原戸籍謄本のみ、本籍地以外の市区町村でも取ることができるようになり、とても便利になりました。
・医師による診断書:かかりつけの医療機関でこの指定書式の診断書が作成できる医師との親子面談、親のみの面談、診断書作成後の受け取り等、数回の通院が必要であり、混雑時は医師の予約にある程度の期間が必要な場合があります。また、通院費以外に診断書作成のための費用(5,000円程)がかかります。
・発達検査:医師に診断書を書いてもらうにあたり、事前に受けた(1年以内)発達検査の結果が必要なため、なければまず発達検査を受けなければいけません。発達検査も受けるためにも、混雑時は予約にある程度の期間を要し、WISC4などの検査を医療機関で受ける場合、保険適用となる場合は1,500円程で受けれますが、報告書作成や検査後のフィードバック面接に別途費用がかかるため、検査を受ける医療機関に事前確認が必要です。
②申請しても、提出書類内容次第で認定されない場合がある。
・所得制限:所得制限限度額を超えていた場合、手当が支給されません。
・障害状態:医師の診断書より、障害状態権利無しと市が判断した場合、手当が支給されません。
①②を考えると、①でそれなりの費用と期間が必要ですが、そもそも②の所得制限を大きく超えている場合、①が全て無駄になってしまうため、申請するかどうかの判断に、所得制限をクリアしているかどうかの確認が先に必要かと思われます。
正確な所得額を知るには?
課税証明を取ることで、正確な所得額が確認ができます。
前年度の所得額確定は6月に確定します。そのため、7月以降の申請分より前年度の所得額確定分での判定になりますが、6月申請だと、前前年度分での判定になりますので、所得額が制限額ぎりぎりで毎年変動する方は、申請のタイミング次第でに認定不可になる場合もあります。
又、障害状態権利有りと認定された場合で、R2年度の所得額は限度額を超え、R3年度の所得額は限度額内と年毎で限度額を上下すると
R2年度の所得額オーバー ✙ 障害状態権利有りと認定 = 支給見送り(R3年) ですが、
R4年8月にR3年度の所得証明を提出することで、権利証明することができ、
R3年度の所得額クリア ✙ 障害状態権利有りと認定 = 支給開始(R4年11月~)
このようなケースもありますので、毎年の所得額の確認は必要です。