WISC4の検査結果を私なりにしっかり受け止め読み解いていくと、息子くんが抱えている大変さをより正確に理解出来てきた気がします。
また私自身がいろいろ勘違いしていたことにも気づけました。
ここからは大きく舵を切って、いろいろと修正していきたいと思います。
まずは家庭学習の見直し
その子その子にあった勉強法、家庭学習の量、その妥当性をどう判断するか自体、とても難しい。子供自身が「この方法、この量が最適です!」なんて正しく言えるわけでもないですよね。
また、方法と量(問題数・ページ数)だけでなく、時間(実行する時間帯と取り組む時間量)もしっかり本人にあっているか考慮する必要があることに、今回改めて気づきました。
この1年、母はずっと息子くんのお勉強をどうサポートするべきか考え悩んできました。
いろいろ試して、そしてWISC4の検査結果を踏まえてたどりついたのは
「教科書」の予習・復習でした。
これまでの取り組み
幼稚園時代の“しまじろう”からタブレット学習にスイッチしていくママ友達の波に乗って、年長で「すまいるぜみ」を試してみるものの、小1ですでについていけなくなっていました。年間契約のため退会しずらいままの「すまいるぜみ」と並行して、「チャレンジ」を試しましたが、思うようにははかどらず、どうすべきかと悩んだ日々が随分長くありました。
小1の終わり頃、支援級のママ友が、市販ドリルで学習サポートしていることを知り、タブレット学習をあきらめる決心がつきました。復習が肝心だと気付き、1年遅れで公文の1年生ドリルを最初から取り組みました。
最初は順調だった復習ドリルも、国語に関しては途中から怪しくなりだし、ドリルばかりして、全くやらなくなっていた計算カードは、以前の倍時間がかかるようになっていました。
そして何より、1年生の復習ドリルに時間を使うことで、現行で進んでいる2年生のお勉強をサポートする時間がなくなり、
学校の授業だけでは理解しきれず、毎日の宿題に苦戦する息子くんの姿がありました….
母のサポートは何か間違ってる気がする...
息子くんが抱える一番の問題は“ワーキングメモリ”だった
どうサポートすべきか迷走していたところでの
「WISC4の結果」=「息子くんの抱える大変さの数値化」 でした。
これまで言葉が遅かったから、言葉の理解、読み、表現が難しく、時間がかかるのだと、全て言葉が原因だと理解してしまってました。しかし結果から分かったことは、言葉はむしろ時間はかかれど着実に伸びてきていて、息子くんが抱える一番の問題は“ワーキングメモリ”だったのだと。
“ワーキングメモリ”については又別で書きたいと思いますが、このワーキングメモリが低いということが、日常を過ごすのにどれほど疲れてしまうかということを、初めて真剣に考え理解した母は、ずっともやもやしてたものがやっとなくなっていくような気持ちになりました。母としての判断基準をやっと正確に持てたような気がしました。
よく、“周りと比べてなくていい”といいますが、そうしてるつもりでも、他の子がやってる基準を目で追い、参考にしながら、母親なりに理解している息子くんのレベルに置き変えていろんなことを考えていたような気がします。基準からレベルを下げたり、量を減らしたりではなく、まずはその子自身の抱える大変さが何かをしっかり見極める必要があったんだなと、初めて気づけました。
“ワーキングメモリ”が低いということは
私なりの解釈ですが、人間が意識せずに頭の中でおこなっている作業に困難を抱えている状態。
頭の中を作業机として考えるのが理解しやすいですが、
- もともと備わっている作業机が非常に狭い。
- 不器用な上に狭い作業机では、机の上がいつもぐちゃぐちゃで整理が出来ない。(目や耳から頭の中に入ってきた情報(人からの言葉など)を上手く整理できない。
- 机の上がいつもぐちゃぐちゃのままなので、取り出したい情報を瞬時に取り出せない。
- 入ってきた情報の取捨選択もされないまま机の上に溢れているので、優先しなければならない情報が埋もれてしまう。(忘れ物が多い・先生が言った大事なことを覚えてられない)
息子くんの頭の中がこんな感じでいつも大変なんだと理解できると、学校から帰ってきた息子くんに「今日の体育のリレーはバトン使って走ったの?」「今日の図工は何したの?」と聞いた時、「・・・」「・・・・わからない」といつもフリーズしていた息子くんの姿に納得です。
本人は一生懸命思い出そうとしているけど、すぐには何も出てこなくて固まるしかなかったのかと….
“ワーキングメモリ”が低い子供のお勉強サポートは“教科書の復習”
“ワーキングメモリ”が低いということは、その日授業で習った内容はぐちゃぐちゃの作業机の上にあるだけで、そのままだと他の情報で埋もれていってしまいます。
母に出来ることは、学んだ時に目にした教科書を開けて一緒に目で追い思い返すことを助けてあげること。また教科書に乗っている簡単で少ない数の例題を一緒に解いていってあげることこそ、一人ではなかなか出来ない記憶の定着・学びの定着につながるサポートだと気づきました。
タブレット学習は分かりやすい動画もあって子供の学習にはとても有効ですが、“ワーキングメモリ”が低い子供にとって、情報量が多いことは脳が疲れます。他の子達よりもぐちゃぐちゃな作業机を使って小学校生活を1日過ごすことの疲労度は計り知れません。小学校に通っている限り、よその勉強方法に目移りせず、学校が使っている教科書を大事にすること。教科書の内容を学びに沿って都度本人と一緒に復習し、定着させていってあげること。疲れやすい息子くんにとって、沢山の種類や量でなく、最低限おさえなければならない内容を確実に身に着けていくことが大事なのだと気づけました。
そして、初めて学ぶ内容の授業時間の質をあげるために、ADHDの子供には「予習」も大事だときづきました。気が散漫・集中がもたないなどを考えると、初めて開いた教科書のページを前に、先生が大事な説明をしていても、目に飛び込んきた教科書のイラストに夢中で、先生の言葉は全く耳に入ってこない状態になることは容易に想像できますよね。ここでいう「予習」は、小難しいものではなく、先生の授業の言葉が少しでも子供達の耳にちゃんと届くように、教科書のイラストなどを、事前に見慣れたものにしておくことが、授業の質を上げることにつながるということです。
お金も時間もかけてお勉強サポートをいろいろ試してきましたが、正直、教科書の予習復習に落ち着くなんて思ってもいませんでした。WISC4の検査結果をしっかり受け止め、息子くんの抱える大変さをより理解した上でたどりついた私なりの答えです。また新しい発見がありましたらご報告いたします。