癇癪・集中力がない等の子供に関する悩み、“もしかして正しく見えてないのかも….” 見逃してはいけない子供の弱視。弱視治療にはタイムリミットがあります!

知っておきたいこと

3才5ヵ月より遠視眼鏡を着用し続けている息子くん。
市の2歳検診で言葉の遅れ・癇癪の酷さから療育を提案され、他にももっと息子くんのためにやるべきことがあれば知りたいという思いで発達支援のクリニックを受診しました。その初診時、屈折検査機器にて息子くんの遠視を早期に発見していただきました。

当時、屈折検査機器を導入されている医療機関はまだわずかだった時期で、その後息子くんの主治医としてずっとお世話になることになった発達支援クリニックが、屈折検査機器の必要性をいち早く認識され導入されていたことが、早期発見につながりました。

赤ちゃんの頃から癇癪の激しかった子は、発達障害を抱えている可能性が高いと同時に、身体機能の不具合を持ち合わせていることで、その不具合による訴えが癇癪となって現れていることも多々あるため、主治医のクリニックでは、まず最初にその子が抱える身体機能の不具合がないかを調べ、それら全てを取り除いてあげた上での発達障害の症状を見極め、必要な支援に取り組んでいくというもでした。

弱視早期発見における、屈折検査機器の重要性

自閉症・ADHDを併せ持つ息子くんにとって、じっとして検査を正確に受けるなんてことは、まず到底不可能なことですが、この屈折検査機器の凄さはほんの1分ほどで検査が終わることです。
少し大きめのカメラのような機器で、子供の正面から眼球を捉えることで、近視・遠視・乱視などの屈折異常や屈折の左右差、瞳孔不同、斜視などの異常を瞬時に発見できます。

あくまでスクリーニング検査であるため、正確な治療開始のために、後日眼科に行く必要がありますが、見え方に問題があるかどうかは本人にも親にも一切わからないことを、発見することが出来る非常に優れた機器です。

最近では早期発見の重要性を重んじて、屈折検査機器を3歳児検診に導入するようになった市が増えつつあると聞きますが、まだ導入されていない市にお住まいのお母さんは、積極的に屈折検査機器での検査ができる機関を探して、ご自分の子供に屈折異常がないかどうかのチェックは3歳までに必ず受けることをおすすめします。


なぜ“3歳まで”か、
それは 弱視の治療にはタイムリミットがあるからです。

「眼鏡は大きくなってから」では遅い!!弱視治療は就学前までが勝負

私自身が裸眼で眼科通院の経験がほとんどないため、視力・弱視・遠視・眼鏡に関する知識が全くないまま、息子くんの眼科通院生活がスタートしました。
治療スタート時は、早くに治療開始することで、眼鏡をかけないで生活できるまでになるのじゃないかと、単純に息子くんがこの先眼鏡をかける人生かどうかということが気になっていましたが、通院を重ねるごとに知識が増え、疑問点が変わり、治療開始4年半を終え、私なりに理解したことをまとめてみたいと思います。

眼科を最初に受診して告げられたのが、きつい遠視があるため、早急に眼鏡が必要であること。
もともと赤ちゃんの視力は若干の遠視があるところからスタートするようで、幼児期に自分の眼で沢山のものをしっかり見てピントを合わせる練習を重ねることで、その遠視がなくなっていくようですが、息子くんの遠視はかなりきついもので、息子くんがどんなに頑張ってもピントの合っていない映像を脳に伝えることになり、視力の発達に関わる脳の細胞を刺激することが出来ないため、今の裸眼のままの生活だと、視力が発達しないままになるというわけです。

眼鏡をかけるようにと言われても、当時3歳だって息子くんの日常生活のほとんどが、手に持ったものは必ず投げる、帽子などのわずらしいことは受け付けない、また手に負えない癇癪が日常茶飯事状態の中、眼鏡をかけるなんてことは到底出来るわけでもなく、どうしたものかと悩みました。本人が成長して、言葉で眼鏡の必要性を理解できる年齢になってからの方がいいのじゃないかと、眼科の先生に相談すると。

赤ちゃんは生まれた時から、両眼でものを見る訓練を日常の中で自然に行うことで、8歳頃に視力が完成するようです。視力を発達させることができる時期のことを感受性期間(脳が反応する期間)といい、その感受性は3歳ぐらいまでが最も高く、その後8歳ごろまで徐々に低下し、10歳前後には無くなってしまうようです。だからこそ、感受性が最も高い3歳の今のうちに眼鏡による矯正をスタートさせることがどれほど重要かと、先生は話してくれました。

障害を抱える子供の眼鏡は、“リンドバーグ” がおすすめ

発達障害を持つ子供こそ眼科医療が必要だと、積極的な治療を呼びかけておられる先生でした。
障害を持つ子供ほど、近視・遠視や乱視の確立が高いらしく、ものがはっきり見えていれば、子供はいろいろなことにさらに興味を示し、発達全体に大きな影響を与えるからこそ、障害を抱えている子供達の早期発見早期治療に力を入れておられました。

障害のある子が最初にかける眼鏡として、先生が紹介してくれた眼鏡は「リンドバーグ」という眼鏡でした。とにかく軽い眼鏡で、かけているのを忘れるくらい、かけている負担のない眼鏡。
障害のある子の眼鏡選びは非常に重要で、他の子供達以上に感覚が過敏な子供が多いため、眼鏡で少しでも煩わしさを感じることで、せっかく作った眼鏡をかけずに過ごしてしまわないようにと….

ただ、この「リンドバーグ」のお値段は正直目をむくものでした。

息子くん=なんでも投げる=すぐに壊れる=高価なものは買えない

この頭によぎった文字で、すんなりうんとは言えませんでしたが、この眼鏡、高いだけあってとても優秀で、つけているのを忘れるくらい軽いだけでなく、壊れやすく出来ているので、折れたり割れたりすることがないようで、壊れるといってもただ部品同士が外れるだけなため、眼鏡店に持ち込むことで何度でも直してもらえるものでした。

「療養費(治療用装具)支給申請」補装具代金返金の手続き

このお高い眼鏡を買う決心がついたのは、
先生が教えてくれた、ありがたい国の保険制度のお陰です。
その制度とは
「療養費(治療用装具)支給申請」 です。

支給要件は
●医師の指示によって、治療のために必要な装具を購入、装着した場合。
●9歳未満の小児が、小児弱視等の治療で眼鏡やコンタクトレンズを購入した場合(眼鏡代金を全額負担したとき)

準備物は
●眼鏡の領収書
●医師による眼鏡等作成指示書

手続き方法(参考)
①まず最初に、加入されている健康保険組合の申請書書式に記入の上、上記準備物2点のコピーをを添えて郵送提出→数日後、支給決定通知書が届き、指定口座に入金されます。
②健康保険組合より届いた決定通知書と、同じく上記準備物原本を、お住まいの市町村役場の福祉医療窓口に提出→数日後、支給決定通知書が届き、指定口座に入金されます。
(※各健康保険組合と各市町村にて、詳しい手続き方法はご確認下さい)

さて、過敏な発達障害くんでもかけることができた優れものの眼鏡“リンドバーグ”の気になるお値段ですが、なんと¥64,900 !!

申請にて戻ってきた金額はというと(おおよそですが)
①で¥30,000
②で¥10,000でした。

国の福祉医療補助に助けていただきました。

この後、3年後に、顔のサイズが大きくなって眼鏡を作り直した際もこの制度を利用させていただき、再度リンドバーグを購入しました。この制度の要件に「9歳未満の小児」とあるように、弱視治療有効期間のみの治療に対して補助があるのだなと思うと、やはり、子供の弱視を早期に見つけ、治療の有効性がある期間に着手する重要性をひしひしと感じます。

息子くんも、リンドバーグの眼鏡だからって、すんなりかけてくれたわけではありません。やはり、眼鏡に慣れるまでは親も子も、過敏がないお子様に比べて、相当大変でした。何度も壊れては眼鏡屋さんにかけつけてなおしてもらっての繰り返しでしたが、気づけば、「あれ、しばらく眼鏡屋さんに行ってないね」と、発達ゆっくりさんでもさすがに成長するわけで、息子くんにとっても眼鏡は日常になっていき、なんとなく「これかけてる方がいいな」になり、眼鏡が投げられることも、ひんまがることも次第になくなっていきました。

国の制度は、弱視眼鏡に関しては3年に一度しか使えないものだったので、リンドバーグ以外の眼鏡で3年以内にもし壊れてしまっていたら、作り直す際は補助はもう出ないので、その場合は全額負担だったと考えると、8歳までは間をあけずにずっとかけ続ける必要があった遠視矯正眼鏡、
結果的にはリンドバーグにしてよかったと思います。

過敏もしくは眼鏡を壊したりしそうなお子様には、リンドバーグがおすすめです。

発達ゆっくりさん、遠視矯正眼鏡の眼科通院は大変でした

まず、この子達を育てる私達親みんなが思うことですが、病院に行くといことが、どれだけ一苦労でお会計までの時間を乗り越えることがどれほど大変で苦痛か….
子供が我慢できる時間なんてどんな子もたいてい同じくらいですが、我慢できなくなってきた後の手がつけられなくなる程合いが違いますよね。長い時間待ってやっと診察してもらえる時にすでに手が付けられない状態だと、暴れている子供をなんとか先生に診てもらって、かつ子供をなんとか捕まえながら先生の話を聞いてその小難しい内容を理解しなければなりません。本当にあの頃はどこの通院も辛かった….

発達支援のクリニックの先生が紹介して下さった眼科は、発達障害を抱える子にとても理解のある眼科だったため、普通の病院に行くよりは、理解があり、息子くんへの対応も見事なものでした。
そのため、病院内では比較的気は楽でしたが、車で1時間弱ほどかかる遠方だったため、4年半の通院は結構大変でした。

遠視矯正眼鏡の治療で一番本人が大変なのは、レンズ処方の際、正しい視力検査を行うために、1週間のアトロピン点眼が必要だったことです。
子どもは調節力が強いので、視力検査のとき目が緊張してしまって正しい視力が計れないそうです。眼鏡のレンズを正しい度数に見直すための視力検査の際だけは、緊張のない、調整されていない視力を計る必要があるため、一時的に調節を麻痺させる点眼薬をつけて、検査を行う必要があり、検査の1週間前からアトロピン点眼をすることによって、調整力が効かない状態にして受診します。点眼期間中はもちろん、点眼をやめたたあと10日ほどは、調整がきかないため、本人は約3週間ほど見えずらい日常を送ることになります。幼少期はさほど問題ないように思いましたが、幼稚園に通い出してからは、太陽光がとてもまぶしいようで、いつも目を細めながら過ごす息子くんの姿が、とても不憫でした。

遠視治療が出来る限り早期であるべきだとする理由は、このアトロピン点眼期間が、小学校に入ってから定期的に続くとなると、授業を毎日受ける必要がある子供にとっては、続けにくい治療だからだというのも納得です。

息子くんの2個目の眼鏡を作るタイミングは、幼稚園卒園式後すぐにアトロピン点眼を始め、点眼の影響が小学校入学式までにおさまるように、計画的に通院しました。

幼児期からの遠視矯正眼鏡、何を持って治療ゴールなの?

遠視眼鏡をかけ始めて4年半、通院のたびに、先生は息子くんに「しっかり眼鏡かけ続けてるね、偉いよ!」とほめて下さいます。が、通院4年半ともなると、最初に思った「息子くんの人生は一生眼鏡生活なのか、治療することで眼鏡をかけずにすむようになるのか?」という疑問よりも、
「果たしてちゃんと良くなってるのか?」
「かけつづけている結果がそれなりに出ているのか?」
「かけるこを忘れてる時もあるので、いい結果が得られていなかったりしないだろうか?」
「一体この通院はいつまで続くのだろうか?」
「そもそもこの治療は、どこがゴールなのだろう?」等無知故にいろいろな疑問を抱き出し、
息子くんが待合室でも比較的静かに待てるようになった今回の受診時に、これらの疑問を先生に伺ってみました。

まず、“弱視”とは「めがねやコンタクトをしても視力が1.0に満たない状態」を言うようです。

息子くんの今回の検査結果:矯正視力(眼鏡をかけてする視力検査の結果)が左1.2 右1.0

眼鏡をかけて視力1.0が出せている意味=“弱視を脱した”という意味

8歳まで視力が伸びると言われているこの最後の1年は、両目共1.0をどんなコンディションでもいつでも出せるように、1.0を安定させるようにしっかり眼鏡をかけ続けることが大事。

9歳以上も眼鏡をかけ続ける意味は何かとの質問に、
遠視そのものを治す方法はないため、眼鏡が不要にはならない」とのことでしたが、遠視は必ず少しづつ減っていくようです。
また、もともと子供の眼球は小さいものから成長と共に大きくなっていくので、定期的な視力検査のもと、適切な厚みのレンズに変えていく必要があるとのこおてす。そのため、今後も3ヵ月に一度の視力検査通院が続くようです。

眼鏡が不要にはならないと聞いて、少しがっかりはしましたが、
「弱視は脱した」の先生の言葉は
私と息子くんの頑張りに、賞状を貰えたような気がして、
この4年半の取り組みが報われたことを実感出来ました。

目標は眼鏡をはずすことではなく、よく見えるようになること

最初の目標は眼鏡をはずすことからスタートした息子くんの遠視矯正眼鏡治療ですが、視力の発達に関していろいろ私なりに学んで今思うことは、
眼鏡をはずすことが重要ではなく、よく見えるようになることが大事なんだなと….

勉強意欲が沸かないのはどうして?
集中が持たないのは?疲れやすいのはどうして?
もしかして知的な問題を抱えているのでは? 等
子供に関する悩みはつきませんが、
“もしかすると、ちゃんと見えていないからなのかも...”
この着眼点は親として必ず必要です。
正確な屈折検査機器による検査を1度は必ず受け、子供が見づらい世界で過ごしていないかのチェックをした上で、今抱えている問題点の真意を見極めてあげて下さい。

息子くんに発達障害がなかったら、今の主治医に出会わなかったら、
当時の3歳児検診の視力検査では屈折検査機器が導入されていなかったため、息子くんの見え辛さを気づくことなく、弱視のまま8歳の誕生日を迎えてしまっていたかもしれないです。そう思うと、3歳の時に主治医のクリニックを受診して、遠視による弱視を早期に見つけてもらえて本当によかった。
主治医の先生には感謝しかないです。


幼少期の屈折検査機器による検査の必要性を、
主治医以外、当時の私には誰も教えてくれませんでした。
ネット上にも、子供の弱視発見が遅すぎたことに、後悔を綴られているお母さん達が沢山います。

どうか、このブログを覗きにきてくれたお母さん達が、
子供の視力がちゃんと育っているかを今一度確認することの大切さに、
気づいてくれたらいいなと、切に願います。


この記事を書いた人
noconoco

こんにちは!のこのこです。
子育て初心者ながらも、発達に問題を抱える息子くんの子育てを通して、私自身が子育てについて沢山学び考えさせられる日々を送っています。このブログは、日々壁にぶち当たりながら発達の問題に関しての試行錯誤の記録と知り得た情報をまとめたものです。後続の同じような悩みで奮闘しているお母さん達にとって、何かしらの道しるべとしてお役に立てるブログを目指します。

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