息子くん、現在小学校2年生7歳です。
支援学級で手厚い支援のもと、息子くんはのびのびと小学校生活を楽しく過ごさせてもらっています。
幼少期より癇癪、集団に入れない、過敏過ぎて爆発、等々….幼稚園で上手くやっていけるのか、小学校生活を送っていけるだろうか、と目の前の課題をどう乗り越えていくかで精一杯だった母は、小学校より先のことをイメージする余裕のなかった日々でした。早期療育から一緒だったお友達が、小学校のお受験に合格した話を聞いた時も「?」なんでお受験するんだろう?程度の反応しか出来ませんでした。
小学校1年生を支援学級で過ごさせてもらい、行き渋ることなく毎日通っていく姿に、ようやくほっとでき、「支援学級ありがたいなぁ。この環境なら6年生までちゃんと通えるなぁ。・・・中学校にも支援学級あればいいけど….」とやっと少し先の中学校生活に疑問が芽生えだしたのが、小学校1年生の終わり頃。
小2になり、仲良くしてもらっていた小5の支援学級のお友達が、普通学級に戻ることになりました。小2の1学期の個人懇談で、支援学級の担任の先生から「5年生か6年生でなんとか普通学級に戻れるんじゃないかなと思います」と言ってもらえ、少し期待できるのかなと嬉しかった反面、中学校に支援学級があるなら、無理して普通学級に戻らなくても、今のまま支援学級でずっと過ごさせてあげてもいいのじゃないかなとも思えました。そもそも普通学級に戻れることが嬉しいことなのか?とまだまだ知識が足りなかった母は、そんな疑問を持っていました。
小2の5月、WISC4の検査を受け、その検査結果のフィードバック面談の際、小5で普通学級に戻ることの価値について質問したところ、将来に向けて私達母親が最低限知っておくべきことを、発達心理士の先生に教えていただきました。
中1の1学期から普通学級に在籍していないと、内申点がつかない!
高校受験に関して、最低限知っておかなければならないことは、
- 高校を卒業しているかどうかで、社会に出てからの選択肢が大きく違う
- ほとんどの公立高校の受験には内申点が必要
- 支援学級では内申点がつかない(支援学級の中での内申は出るけど、学籍簿はオール1になる)
- 公立高校の受験をするなら、中1の最初から普通学級に在籍して内申点をつけてもらっておく必要がある
これらの理由から、小6まで支援学級で過ごし、中学からいきなり普通学級で勉強も友達付き合いもすべてやっていくには、環境の変化が大きすぎるため、小学校で支援学級の子を持つお母さん達は、“5年生あたりで普通学級に戻る”を第一目標にされている方が多いのかもしれません。
幼稚園、小学校、中学校をなんとか無事過ごしていってほしい、その先のことは無理のない程度で、息子くんの自由な生き方でいいんじゃないかなぐらいにしかイメージしてなかった母です。最終学歴が高校卒業以上になることで、息子くんの将来への選択が大きく広がるのであれば、“親の役目として、高校卒業までを導いてあげなきゃいけないのだな”と、今を乗り切ることだけでなく、将来を見据えて行動していくことの必要性を、強く感じました。
支援学級だと、高校受験に必要な成績がどうして出ないの?
中学校で支援学級に通う生徒は、普通学級と同じ教科書を使って授業を受け、普通学級と同じテストを受けても、支援学級の中での内申点は出るが、学籍簿上はオール1になります。(生徒には頑張ったなりの点が出ます)
このシビアな現状を知って、正直とても驚きました。そこで、支援学級にいくと高校受験に必要な成績がどうして出ないのか、その理由を考えてみました。
義務教育ではなくなる高校には、支援学級がありません。中学で支援学級の生徒が、普通学級と同じ教科書を使って勉強し同じテストを受けていても、その得点は支援された環境で学び得た実力のため、仮にその実力をそのまま内申点として受験し、高校に入学出来た場合、入学後、支援皆無の環境のもと、その高校のレベルに見合った実力をその生徒が出すことができる可能性は極めて低くなることが予想されるため、支援学級での成績をそのまま高校受験に使うことが出来ないのではないかと思われます。
公立高校受験に向け、無理して中学の普通学級に行くのは正解?不正解?
普通の公立高校に行かせたい場合、内申をきっちり出さないといけないため、中1最初から支援学級から普通学級に移る人が多いようです。普通学級でうまくいけばいいですが、無理して支援のない普通学級に通うことで不登校になってしまったり、普通学級でイライラして癇癪ばかり起こしてしまってる子もいるようです。また内申を出すために普通学級にいるのに、無理した状況下で結局勉強にならず、普通学級で「1」でしたというお子さんも多いようです。
適切な支援を受けた環境のもとだと「3」や「4」の理解を得られたかもしれない義務教育内容を、高校受験を見据え過ぎた親の判断で、普通学級で「1」の理解で終わってしまった場合、受験時の評価も「1」、本人の学びそのものも「1」になってしまう可能性もあることをしっかり認識した上での判断が必要なのだと思うと、とても慎重に決めなければいけないことです。
支援学級か普通学級かの判断
中学を支援学級か普通学級かという決定は12月にあるため、11月中に小学校が中学校に書類を送る必要があります。進路決定のために6年生でWISCを受け、その検査結果をもとに主治医からの意見書を出してもらったり、担任の先生と進路を話し合って決定していきます。
中学校の進路決定時以外にも、小学校5年生あたりで支援学級の担任の先生より普通学級への打診があった際も、担任の先生の判断だけでなく、WISCを受けその客観的データをもとに子供の状況を正しく理解し、主治医による意見を聞いた上で、慎重に決定する必要があります。
また、上記のようにWISCなどの知能検査結果が重要であることはもちろんですが、認知の力よりも、どんな風に課題に向かう力が伸びているか、あきらめずに粘り強くやれるか、などの評価もとても重要で、それらの力がしっかり伸びていく環境を子供に与えてあげることが、生きていく強さを養う意味でも、とても大事なことです。
まとめ
最近は、内申を受験に必要としない高校も増えてきているようです。子供にどんな力ついてきていて、どんな環境のもと勉強するのが、その子が居心地よく、その子の持つ力を一番発揮できるか、その時々でしっかり判断していくことが、親としてとても大事な役目ではないかと思われます。